第三十八話『攻めか守りか』 戦争の終わらせ方というのは、始めるよりもずっと難しい。下手な終わらせ方は新たな戦争を呼ぶ。近年では、第1次世界大戦が失敗であった。ただ単に、敗戦国から賠償金を搾り取るような終わらせ方は、次の第2次世界大戦を引き起こしただけであった。敗戦国側の情報隠ぺい等の事情もあったが、戦争は新たな戦争を、新たな憎しみを招くものである。 日本と元との戦いは、元による侵略戦争である。 これに対し、日本は表面上、防衛一方に押されていただけとよく言われるが、実際のトコロ、敵国を攻める気も満々であった。この時、準備万端で高麗に攻め入っていたら、この後の日本の歴史はどうなっていたことであろうか…。 鎌倉幕府の敗北を認めた時宗は、幕府首脳陣に対し、新たな知恵を要求する。七日の間に元に対する対抗策を考えて来いと。北条義政、広時、宗政、実時、顕時、安達泰盛、平頼綱らは時宗の与えた課題(宿題やな…)にそれぞれ頭を悩ませる。 (…すっかり執権としての貫禄がついた時宗さんを見ていると、かつての腑抜け(オイ)た姿が懐かしく思い出されます。いや、不甲斐無い時は、不甲斐無い時で腹が立ったものですが、しっかり成長されてしまうと、何やら寂しくもあるものですな〜。) 博多で商人への道を歩み始めた時輔も、また、謝国明に課題を与えられていた。博多の街を立て直すためには何が必要か?また、一商人が再びの争いを防ぐため、日本を守るために何ができるか?と。 (商人衣装がめっさ似合いませんのう、兄上。あれだったら、まだ忍者もどきコスプレの方が(たとえ時代設定大幅無視でも)マシでございました。) 時宗の与えた課題に対し、首脳陣(この中に頼綱を入れていいのだろうか…)の出した回答は、防衛、和睦、攻撃の三方法であった。(無難と言えば、無難。) 頼綱は博多湾に木の柵を設ける事を提案し、宗政は戦が終わった今こその和睦を求める。戦場で戦った者たちらしき意見である。一人は新たな戦いに備え、一人は戦を避けようとする。これに対し、連署義政は元への出兵を打ち出す。これに実時も同意し、高麗への派兵をと時宗に申し出る。主要な意見を聞き取った時宗は、高麗への出兵に賛同する。 (って、時宗さん!顕時さんと、時広さんの意見を聞いてねェってばよ!本当にお父様似のワンマン執権になってしまわれましたね。すっごく情けなかった頃から見守ってきた輩としては、ひたすら寂しゅうございます。ただ、この宿題をこなすまでの皆様の御様子はなかなか楽しゅうございました。特に頼綱さん。あなた、やっぱり肉体派ですね。お庭にジオラマ作らないと考えられないなんて…。後片付けが大変そう。) 時輔も謝国明に対し、自分の出した答えを披露する。 「蒙古と交易をしてはどうか…」 佐志のオヤジは工作教室の指導が出来ますね。あの押し花を見せられた時は正直、ぶっとびました。しかも、打ち合うための木刀まで自作だなんて…。執権殿との格闘はもっとカンタンにオヤジ様が勝つと思っていたのですが、案外、手こずりましたね。腐っても、武士の棟梁と言う事でしょうか。(失礼な) そして、その後の時広さんのエグいおとぼけ具合に惚れました。服部なき(勝手に殺すな)後のジジスキーターゲットは貴方です!(きらりん) 次回予告:『ねらわれた姫』 姫って誰?と一緒に見ていた母親に聞かれました。知っていた私は迷わず正解(ネタバレ)を教えてしまいました。しかし、母親はどうにも納得ができない様子。 その気持ち分かりますとも、母上! あたしだって、納得いかんわ! |