第四十四話『妻のなみだ』





今回は出番が顕時殿の婚礼場面だけとは…。台詞もなく、ほんの一瞬でございましたのう。何にしても、密通が(まことにあったことでも)「狂言」で終わられて良かった。良かった。ただ、我らの時代において密通が死に値する程の罪になるなどとは初めて聞き申した。発覚しても、せいぜい梨子殿は離縁、頼綱殿は出世の道を閉ざされるぐらいででござろうに。
密通発覚、即、死罪とは…。何とも過激な話でござりまするのう。どなたかあの処分の根拠を徳川時代以外に見い出された方はお教え下され。





御家人と北条氏の絆を深めるため、泰盛は顕時と娘滝子との縁組みをまとめようとする。だが、妻梨こは娘を政治の道具として利用されるのを嫌い、滝子を連れて安達家を出てる。既に実家のない梨子は一先ず、涼泉尼のいる最明寺に身を寄せる。
その夜、梨子のもとを密かに頼綱が訪れる。
滝子の縁組みをつぶすよう話にきたのだが、梨子はただ頼綱を睨みつけ、頼綱も泰盛と同じだと、言い捨てる。彼女の抵抗に対し、頼綱は泰盛が彼女の兄長時を殺させた事実を告げるが、彼女は既にそれを知っていた。
知っていて、泰盛と添うている。それを察した頼綱は更に手を下したのは自分だとほのめかし、彼女を脅そうとするが、逆に、梨子に手を上げられる。
もみ合いになる二人。
その後、同じ部屋から出てくる所を、嬉々に目撃される。


女に叩きのめされる元暗殺者(しかも桔梗に次いで二人目!)ってなんなんでしょう。実は、奥さんの躾けが身に染み込んでいて、女性には手が上げにくくなってしまったとか!?



その場で頼綱とに密通を告白する梨子。泰盛は妻と頼綱を斬る覚悟をするが、時宗がそれを押し止める。ここで、頼綱と泰盛の二人を失う訳にはいかない。
時宗は祝子に梨子の説得を託す。
祝子に父に母を殺される地獄を滝子に見せるのか、と言われ、梨子は密通を否定する。
滝子と顕時の祝言は無事に済むが、梨子は安達家を出て、最明寺へと身を寄せる事になる。
母涼泉尼に梨子の今後を託す時宗。ただ、あの時。頼綱が烏帽子をかぶっていなかったのは何故かと、母に問うが、真実は頼綱と梨子の胸の内のみに…。


その頃、大陸では佐志房がクビライを討つために姿をくらまし、桐子がマルコ・ポーロと出会い、時輔が大都に到着していた。



史実婚礼にかこつけたでっちあげを延々と40分も…。最早、不倫疑惑メロドラマとして見るより他に何とすれば宜しいのでしょうか。
でも、今回程矛盾なく(しっかりと)まとまっていた話(除:時代考証)なぞ、ついぞ見た覚えなどありませぬ。やっぱ、間違ってます、今年の大河ドラマ。歴史物という建前なぞいっそ鎌倉の海にうっちゃって正々堂々と「恋愛ドラマ」(ホ○込み)として売り出した方が、よっぽど作品に迷いがなく出来栄も良かったのではないかと思われます。



梨子さん…。
牧瀬さんは顔がゴツイ 男のような輪郭ですね。今回、アップが多かったので、イヤでも目に付きました。まぁ、演技はそれなりに良かったです。あの怒濤のビンタ×ビンタ×ビンタ攻撃には、何やら今までの女性陣の恨みが全て隠っていたように感じられました。


禎子さん…。
ああああ、あなたもでござりまするか!!
あなただけは恨みによって動いてないと思っていたのに〜。(生来の女王様だと思っていたのに〜。)桔梗2号でありまするか。くううううう。(う、裏切り者〜。)てゆーか、女のキャラクターパターン少な過ぎや、このドラマ。


兄…。
大陸まで行って、成果は桐子と恋に落ちることだけだったら、私は貴方を見捨てます。(あの捻くれながらも、弟思いで賢い兄上はいったいどこに逝ってしまわれたのでしょうね。私はそんな貴方が好きでした…。)


なんてゆーか、これからの皆様…。
た、助けて、時広おじじ。救いは貴方だけです。



次回予告『わが祖国』

謝国明さん…、唐突に老け込んでいません?




ちなみに、安達家の嫁である梨子さんがあんな風に密通が本当に実行出来るかと言うと…。て、「寺」だったら、おっけーです。家では先ず無理。なんたって、安達家は鎌倉幕府の有力御家人です。その嫁ともなれば、身の回りの世話をする女房(嬉々さんのような人の事)は余裕で三十人以上いますから。自分で茶を煎れることもなければ、あんな庶民のような服装も致しません。(祝子さんにすら、たまにあの格好をさせるよな〜、えぬえちけい。あれは執権の妻ともあろう方がなされるお姿ではございません。)
浮気する場合は、寺にお参りに行った時お目当ての人と落ち合うとか、誰かさんのように祈祷のために呼んだ坊主とするかのどちらかです。
だから、今回のネタはある意味、不自然ではございません。



…で、ヤったの、ヤってないの、どっち?