総集編『蒙古襲来』



不審船沈没関連ニュースを『蒙古襲来』(=外敵退治)に繋げるとは、なかなかやりまするな、えぬえちけい。今までで、最も優れた(=無茶苦茶リアルな)演出でござりました。

(分かっててやってたら、えらいこっちゃ。でも、ま、あのえぬえちけいにはそんな度胸はござらんであろう。)





→オープニングCG
嵐に翻弄される元船でした〜。えぬえちけいは来年もオープニングをCGで作るつもりでしょうか。下手 イマイチだから止めておけばいいのに。


→謝国明&太郎
当時の商業と流通事情の「国際性」を現すために出ていたんですよね。で、この二人がいれば、国は開いているってことが一目瞭然なんじゃないですか?正式な国交はないものの、当時の国際交流は盛んでした。何たって、時宗の相談役を無学祖元がやってるんですよ。国のトップの相談役が外国人。これって、はっきり言って現代以上に国際的なんじゃないですか。
兄上はいったい国のどこを開くつもりだったのですか。鎖国をしていたのは、江戸時代だけですよ。ちゃんと勉強したんですかね、脚本家の人。
きっぱり申し上げて、当時の日本は現代よりずっと国際的で、国は開きまくっています。
だって、入国審査とかもないんだもの。
兄上が開ける所なんて(貴族社会を除いて他には)ございません。
謝親子は、商人と言う名の便利なアイテムでしたね。
息子の今後を頼むのも、謝国明。(by時頼)
大陸へ行くのも謝国明殿に宜しく。(by兄上)
蒙古の勉強会の先生役もお頼みします。(by時宗)
ちょっと通訳して下され。(by少弐殿)
使節を鎌倉まで連れて行くのも謝さんにお願い。(兄上)
兄上探しは太郎にお任せ。(by祝子)
最後の航海も謝さんの船で♪(兄上)
この二人がいなかったら、この話は全然成り立ちませんでした。
で、お役立ちアイテム以外の役割は?
ん…?


→喜々&若菜
名前を見ただけでこの二人が誰だかお分かりになった方は、本当に時宗「通」です。
喜々さんは涼子の、若菜さんは祝子の女房です。あの二人に常〜に付いて回っている方達です。
大河ドラマを見続けていると、分かるのですが、この姫様付きの「女房」役には味のある方が多いのです。
そして、大事な役回りをこなすことがあります。
喜々さんは日蓮と涼子の内緒の恋の橋渡し(?)やら、例の不倫現場の目撃!者でもありました。
若菜さんは喜々さんほどではありませんでしたが、祝子を「行け行け」と上手〜く押しておりました。あの夫婦のフォロー役は大変です。
女房役こそ大河ドラマの柱だと、私は常々思っております。(演技の下手な方には滅多にお目にかかりません。)
その点、『時宗』は恵まれていたと思います。
嬉々さん役の安倍聡子さんの声が好きでした。


→日蓮&涼子
どちらかと言えば、運命の出会いをしたのは「時宗&日蓮」よりもこの二人の方であったと思います。何かあると、涼子はよく相談に行っていました。日蓮もまんざらではなかったような…。
(しかし、流石の脚本家も、現代おいて信者ばりばりな(政治活動もしてるよーな)宗教の開祖様の○○なぞはでっちあげられなかったモヨウです。)
日蓮の鎌倉幕府&時宗批判も中途半端でしたよね〜。(何のために出ていたんだか。)
もっと容赦なくびしばしやって欲しかったです。頼綱なんぞにかまけてなくて。
(まぁ、実際に日蓮が批判していたのは「他の宗教」ばっかですけどね。)


→佐志房
最期が哀れ過ぎます。息子の仇を取りに行って、相手の株を上げて死んでしまうなんて…。
お陰で「弘安の役」での松浦党大活躍が瀬戸内の河野水軍に取られてしまったではないですか。
大根の食べ方がとっても勿体なかったです。かじっては泥がついている所だけぺっと吐き出すなんて…。ちゃんちゃんこ&褌の「海賊正装」姿は一回こっきりでしたね。
ちょっと残念。
ところで、本当に松浦党には桐子以外の女はいないのですか?


→桐子
コケるのが分かり切っているキャラクター(男の子みたいな女の子)設定が物の見事に期待を裏切らないってのもな…。
この役がきちんとこなせる若い女の役者さんて、あんまいないよなぁ。(母親と検討したんですが、該当者なしの結論に達しました。)


→北条時章
役者(白竜)さんの容姿が好きでしたね。なんか一番鎌倉武士ぽくって。暴走する妹と弟に挟まれて、ある意味、『時宗』の中で最も不幸だった気がします。


→桔梗
原田美枝子さんがイカしてました。
でも、この人に北条得宗家の復讐をやらせるくらいだったら。涼子さんを時頼と結婚させずに「復讐役」にしてしまった方が、話の筋としては理解しやすかったと思います。口で説明するしかない(ドラマで描かれない)理由で復讐ってのは、無理があるっていうか、共感出来ませんから。
名越に繋げたいのも分かりますけどね。


→北条義宗
人がよい、それだけの理由で死なせるなんて。えぬえちけいは良い人ほど不幸になるとでも言いたいのでしょうか。


→北条時広

あたしの癒し。

まさかあの石橋蓮司さんがこんな癒し系をされるだなんて思いませんでした。
政村の代わりだし、石橋さんだし。という理由でキャストに初登場の段階で、「意地悪」「策略家」のレッテルを貼った過去が嘘のようです。
しかも「石」御宅
何のために石御宅だったのかは未だに分かりませんが。(石塁発案は頼綱→泰盛だったしなぁ。)あの石と戯れるおじじの姿は、「元冦」開始時から腐るばかりであったあたしの心の唯一の救いでした。
「一つ積んでは…」といい、「義政殿がいなくなられても何も変わりませぬ」発言といい、ほのぼのしているようで、きっちり人の心を抉るセンスは正にあたし好み!
若い頃は相当おいたをされていた方に違いありません。
(各地を巡って石集めでも大いに結構!)
時宗が義政&おじじをスカウトしたのは、「癒し」を得るためであったのでしょう。(だって、政治はワンマンなんだもん。つーか、この二人が政治の役に立ったことなんてあったか?)
石橋さんの老けっぷりもなかなかでした。ちゃんと弱々し〜い。年寄りくさ〜い、歩き方とか所作になってましたからね。(ところで、石橋さんてお幾つなんでしょう。)

あぁ、もう、大好き♪


→服部
逆に登場時点から次第に株が下がっていった方です。
祥子様命!はいいのですが、年の功で役に立つことがあると期待していたのに、全、然で。「悪党」の首魁になったりなんかしちゃってるあたり、ちと設定に無理あり過ぎです。
最後はおいしいポジションをゲットして大陸へ。
大陸語分かんな〜いでノイローゼとかになってなきゃいいけど。


→クビライ
敵役として、イマイチ。時宗のライバルとしても「立派」な点が強調されただけで終わった。いっそ出さなかった方が、まだマシだったかも。(金もかからんしよ。)
まー、そんなに悪く描けないのも分かりますが、その結果、誰も悪くなくなって、悲劇だけがうだうだと繰り返される展開になってしまいました。
いつだったか、日本以外の国は元の支配を有り難く受け入れたようなことを、えぬえちけいが説明していましたが。最後の「反乱」はその支配下となった地域で起こっているし、朝鮮も抵抗したし、ミャンマーとかベトナムでも支配をイヤがられて、水上での戦いになって苦戦してたハズですよ。
説明で嘘を言っては(流石に)マズイと思います。


→蓮華
何のためにいたのか分からなかった人、其の五(人くらいいそうな気がする)。
(10回も出番があるのに、台詞は一個きりとうのちゃんが言ってたのに)喋ったのは四回でしたね。異国情緒を出すためにいたんでしょう。が、話において何の役割もこなしていない。謝国明の愛人だったともっぱらの噂。
え?じゃあ、美岬さんは?



→総括
「戦いは良くない」「命は大事に」。
今回の大河ドラマにおいて製作側が意図したのはこのようなテーマであることは、何となく分かりました。
主人公と時頼の最期の結論がこれでしたから。
テーマとしては悪くないんですがね。
無茶ですよ、鎌倉時代、しかも元冦でそんなことを主張しようだなんて。
もちっと勉強して下さい。
この時代の人は、そのへんに死体が転がってても微動だにしないような神経の持ち主なんですから。(お貴族様は除く。)
で、まぁ、このドラマを見て、感想を書いていて思いました。

言うは易し、行うは難し。



(ツッコムのは簡単だけど、実際に作るのは難しいんだろうな〜)



後でああだこうだ言うのは「楽」ですね。主張は立派でも中身がないと説得力が欠け、ドラマがツまらないものになるということもよ〜く分かりました。
実際に作るのは大変ですね〜。





今回はやはり激しく見る気が失せまくりでした。(おじじが出るまで時間があったし。)
また、出鼻を不審船に挫かれたために、『ワンピー○』に浮気しながら見たりして。
前回に比べると、話の後半、『時宗』にかける自分の愛情が、如何に薄まっていたかよ〜く分かりました。
多分、感想を書いてなかったら途中で見るのを止めていたと思います。(止めないで良かった〜。危うく素敵なおじじを見逃すところだったぜ。)

自分としては、1年間、感想を継続するという目標が達成出来てほっとしております。回によって違いますが、感想1つにつきだいたい1〜3時間くらいで仕上げております。
途中で嫌気がさしたこともありましたが、その分のストレスはきっちり感想にぶつけました。これで『北条時宗』を見ることもなくなるのは、残念なような、ほっとしたような心地です。
(特に後半は番組を見ながら文句を言う度合いが、物凄く高くって…。)
あたしは鎌倉時代が好きなので、放映前(平成十二年後半)からうきうきと『時宗』が始まるのを待ってました。
で、始まってみて。

…やっぱ、期待のし過ぎはマズイですね。

最終話前にはこんな心理状態だったこともあります。
(自主規制につき心の広い方のみ反転表示を願います。)

あたしの好きな鎌倉時代をよくもこんな、こんな、こんな、出来の悪いドラマにしくさって!!えぬえちけいのばかやろう!!

愛は盲目ですね。
1年間付き合いましたので、それなりにドラマに対する愛着は芽生えております。
思い返せば、文句と愚痴ばかりの感想でしたが、こんなんでもおつき合い下さった皆様に御礼申し上げます。
あと、ごめんなさい、えぬえちけい。
せっかくこの時代に初挑戦してくれて、お金もかけてくれたのに。けなすことしか出来ませんでした。
お願いですから、二度とあの脚本家を大河ドラマで使わないで下さい。
(どこが、「ごめんなさい」や。)



では、では、皆様、1年間お疲れ様でした。

また、機会がありましたら、ネット上でお会いしましょう。




来年は良い年でありますように。

1年間、ありがとうございました。




今度こそ、「終」