バイト巫女


1月2日


流石に、1月1日の夜に徹夜しようなんて酔狂な輩はいなかった。

お陰で泥のように眠り、明けて2日。

観光客が参拝客に加わった…。


御神体ゆえに、この神社はそれなりに有名だ。

当然、観光客が来る。(バス用の駐車スペースもしっかりある)

だた、問題なのはそれが日本人に限られていないという点だ。

「アレ」ちゅーのは、万国共通のネタですから、みなさん、世界中から見にいらっしゃるんですよ。

近場で正月がズレているため、台湾・韓国からの観光客が多いのです。

みなさん、大形バスに乗って団体でおいでになります。

そして、土産に買っていくんだな。

あの形のお守りを。

飴を。

買っていくだけならいい。取って袋に入れて渡すだけなら、もう慣れた。

しかし、それだけでは済まないのが、観光客。


たまに「御神体」についての説明を求められる。


何故、こんなものを祀っているのかと。
(聞いてみたい気持ちは分からんでもない)



正月限りのバイト巫女にそんなことは分からん!つーの。



そういう場合は正規(?)の巫女さん(たった一人…)に救いを求める。

すると、慣れたもんで、しっかり英語で説明したり、すかさず英語が並記されたパンフレットを売ったりする。


だから、別に説明を求められるのは、まだいい。


頼むから、お守りを10個近く掴んで「たくさん買うから、安くしてくれ」などと言わんでくれ。


露天とは違うねんから…。


(でも、半分近いものがある。ふきっさらしなトコロとか。訳の分からないものにそこそこな値をつけてを売っているトコロとか。)


1日に比べて人数は減ったが、疲れは減らない。


そんな2日目だった。


救いは娘の巫女姿をあちこちの親がわざわざ見に来て、たんまりお菓子を差し入れてくれてったコトぐらいかな。



(ウチの親も来た。そして、御神体を見て、笑って、去っていった。しかも、親戚連れで…。)






1月3日へ続く