◆第二十八話「頼朝非情なり」◆



熊野水軍との「つて」を千鳥さんからつなげるとは思わなかったよ…。



<大筋>
重衡と三種の神器を交換するという提案は、平氏の拒絶にあい、失敗。その後、平重衡は鎌倉へ護送され、義経は重衡と共に鎌倉へと下る。鎌倉では頼朝による「もののふの国」づくりの準備が着々と進みつつあった。優れた人材なら、平氏でも登用しようとする頼朝は、重衡を暫く鎌倉に止め置くことにする。そんな中、大姫が義高の父義仲の死を知る。大姫は義高を救おうとして、彼を逃がすが、頼朝は義高を捕らえ、その首を刎ねる。義経は頼朝が目指す新しき国が理解できないまま、再び京へと戻る。以降、2度と、義経が兄に会うことはない。


→重衡護送
放送の最後で任じられていた京都守護になっていて、義経は鎌倉には戻っていない。護送して、戻って来たのは範頼の方。義経は義仲追討のために鎌倉を出てから1度も頼朝には会っておらず、その後はず〜っと京都に居続けた。彼の今後の離反は、そのあたりにも原因があると思う。



→義隆斬首
え?逃走中に捕まって、斬首された首が大姫の目に触れるところへ届けられたんじゃないの?
まあ、でも、子供も見る大河であの子の首を出すワケにはいかんか…。
義高役の子は上手かった。きちんと頼朝の子供時代を連想させるのに成功していたもんな。大姫の「父上と同じじゃ」はとても的を射ている。この大河の義経はちっとも己の非情ぶりを分かってないようだが、義高を前にして口を拭い、重衡に平家が悪いからこうなったなどと口にするあたり、彼はただ単に己の心が傷まないように済まそうとしているだけの偽善者である。
義高斬首は、子供の幼さも相まって、かなり「悲劇」に見えた。だが、大姫が義高を逃がすくだりは、大姫の早計にしか見えなかったのが残念だ。大姫が義高の今後を心配する家来や頼朝の会話を盗み聞きしてああいう手段を取ってしまうようにした方が、説得力が出たと思う。



→熊野水軍
ここで壇の浦の合戦に備えた前振りが出るとは思わなかった。しかも、「千鳥」経由で…。熊野水軍の源氏に対する協力は弁慶が熊野に「つて」を持っていたからという説明がよくされるが、千鳥さんを持って来たか。



→頼朝
もっとあっさり首を斬れと言って、頼朝の「非情」ぶりを強調するかと思ったが、案外、長く「悩ませ」たな。しかも、大河の描き方が、「逃げた」から斬首という流れだった。「逃げ」なければ、頼朝は討たなかったか…。そのあたりは、かなり微妙だと思うんだが。
ちなみに、義高を討ったら大姫がすごい哀しんだため、このお父さんは、義高の首を刎ねた人物の首を刎ねさせて、大姫に見せたっちゅーが。ホンマかいな。



→次回「母の遺言」
って、常盤さん、次で最後ですか!?