◆第二十九話「母の遺言」◆



母親より助言受けた先から法皇様が出るかもしれない催しに出掛けようとする義経って…。

無駄なご遺言でござったな、常盤殿…。



<大筋>
一の谷での活躍にも関わらず、義経に対しては、任官もなく、恩賞も下されなかった。頼朝が義経を推挙しないことで、後白河法皇は二人の間にある亀裂を察し、義経に敢えて左衛門少尉、検非違使の官職を与える。鎌倉に「もののふの国」を築こうとする頼朝を牽制しようとする法皇。義経を取り込まれる…危機感を抱いた鎌倉は、平家追討の任から義経を外し、義経に正妻を与える。二つの権勢の狭間で揺れ動く義経に対し、常盤御前は、裏も表も見極めよと告げる。病をおしての息子への言葉。それが、彼女の遺言となる。



→常盤御前最期
ええと、本当に言うだけ(書くだけ)無駄な戯言ですが、母親の死に立合う「異父兄弟」が見たかった…。実在しない能子に裂く時間があったら、一条さんと常盤さんの間に生まれた一条良成を!
異母兄弟の頼朝と対比させたら面白いと思うのに、出ないんだよなあ、良成…。
最期までお美しい母上様には大変満足でした。稲森さんということで、最初にキャスティング見た時には大丈夫かな?と思っていたんですが、全くの杞憂にござりました。美しくも、芯の通った常盤御前をありがとうございました。苦い水は清盛のことでしょうなあ。やっぱり、イヤだったんですね、敵方の手に落ちるのは…。



→一夫多妻制
静殿、静殿と一夫多妻制を真っ向から否定する中世の男子どもって…。馬を抱えて崖を駆け降りる畠山重忠以上にありえねーーーーーーー!義経主従で困りまする。それに静に残れってことは、正妻の直ぐ傍にいろってことにもなるんだぞ。別宅を構えさせるくらいの気遣いをしてやれよ、頼むから。そんなに正妻がイヤなら、義経が別宅に入り浸ればいいんだからよ。



→萌
静の影に隠れてあまり目立ちませんが、義経にもちゃんと正妻がいるのです。河越さんの娘だというのは分かってますが、名前は不明。よって、「萌」という命名はえぬえちけい?によるものですが、この名前は、あれですか?最近話題の萌え産業とやらから取ってますか?(まさか)



→任官
新聞には義経が任官されてないから、義経の所に人が集まらなくて困った、というエピソードが入ると書いてあったのに、なかった。何故?これがないと「任官」の有り難みが分からんのだが…。(その後、「任官」したから催しにも誘われたというネタ振りにも使えたのに)常盤様に時間を裂き過ぎたのかな?
京都のお公家さんは、「官位・官職」のない人を人扱いしない人種です。
そして、頼朝は、何故、この時、義経を推挙しなかったか。頼朝の嫉妬とよく理由付けがされますが、実際のところはよく分からないのです。(ドラマでもぼかしてたましたな)多分に、京都に長く留まっていた義経が朝廷に近付き過ぎたのが原因と思われます。



→もう一つの遺言
どうしてここで清盛の遺言は偽りだったと告白するのか、分からない。そもそも「偽り」の遺言を仕立てた理由がイマイチだったから、ここで「実は嘘」と言ってもなんだかなあ…。もしかして、常盤御前から義経への遺言と合わせて何かしらの効果を狙ったものかもしれないが、ここで、わざわざこんなシーンを用意する理由は果たして…?



→次回「忍び寄る魔の手」
あまりにもそのまんまで、予告を見てぶっとびそうになった。ええと、その法皇様の魔の手は「義経様、貞○の危機!」に忍び寄るということでしょうか?