◆第三十二話「屋島の合戦」◆



え?両軍からやんやの喝采を浴びたんじゃないの?



<大筋>
摂津から阿波に渡った義経勢は、近藤親家が率いる100騎と合流し、屋島の平家陣へと向かった。奇襲に驚いた平家勢は、急いで三種の神器と天皇を海上へと逃れさせた。またしても義経に不意を突かれた平家方は義経の器量を測ろうとする時子の提案で、源氏勢へ向けて小舟を出す。小舟に乗った能子が示す扇を射よ、との平家の挑発に、義経は年若い那須与一を送り出す。見事、与一は扇を射落とし、時子は落ちた扇に平家のこれからを重ね、大きな不安を抱く。平家に数の面で劣る義経は、伊勢三郎が淡路の水軍田口教能を味方に引き入れ、屋島の戦いに勝利する。



→扇の的
有名なエピソードなのに、平家物語通りにしていなかった。
見事!と源平両方から喝采を浴びたと教科書で読んだ。言い出しっぺの時子さんが扇に平家の行く末を見ていたという流れにしていたから、平家方も賞賛したらおかしいが、馴染み深い話だったので、私は喝采の方が良かった。
能子さんが平家方にいる意義の99%はこれで終わった。これから後は出番が減ると見た。



→屋島の合戦
ドラマではお寺での戦いで佐藤兄継信が義経をかばって命を落としていたが、『吾妻鏡』では扇の的の前に義経をかばって戦死している。確かに流れとして、扇の的の前に義経の郎等が死んでいたら、そりゃードラマの義経は扇どころじゃないだろう。



→佐藤継信
黙祷。
死にそうな場面で、郎等に入ったばかりの「熊」もきちんと呼んでいるあたりが律儀。ただでさえ少ない人数なのに、これでマトモな武士らしい武士は佐藤弟1人になってしまった。佐藤兄は、正妻を寄越した頼朝の意図をきちんと説明できたたった1人の常識人であったため、今後、郎等の低レベル化は避けられないだろう。戦でしか役に立たない人間ばっかというのもなあ…。そもそも主がそうなんだから、1人ぐらい文に長けた人物が欲しい。
でもって、義経の無謀はやはり家来にとって優しくない。



→タッキー相方
確かに与一は扇の的だけでしか活躍がないから、一回こっきりのゲストにはもってこいだったろう。ただ、彼である「必要」もなかった。ただ単に「話題性」のためだけというのが、とても分かりやすかった。



→次回「弁慶走る」
恐らく、可愛いマツケン弁慶の独壇場だろう。予告では鎌倉に行って、熊野にも行っているように見えた。しかも、馬に乗らず本当に「走って」。い、いくら何でもそれは無茶だと思うんだが。