◆第三十九話「涙の腰越状」◆




地位も栄達もいらぬ、ただ兄の「愛」が欲しい!というなら、官位を返せばいい。そんなに「情」に飢えているんなら、「官位」なぞどうでもいいんだろう?
さあ、捨てなさいよ。




<大筋>
長い回想シーンが後半入った。義経の「苦難」を見せる筈が、別に全然苦労していない前半生を見せただけだった。
もとい。
鎌倉に入ってはならぬ、との頼朝の命に、義経主従は、腰越の万福寺に留まる。しかし、待てども待てども頼朝からの沙汰はない。政子は千鳥を通して、大姫と会って欲しいと伝えるが、義経は頼朝の心象悪化を気にして政子の願いを断る。弁慶はそんな義経に頼朝の情のなさを訴えるが、義経は弁慶の言葉には耳を貸さない。が、義経のもとを出て泣き暮らした弁慶の心に打たれ?、兄への書状を弁慶にしたためさせる。世に言う、腰越状。
兄の情に訴えた義経の思いは、兄へと届くのか…。



→政子
大姫に会って欲しいという願いを義経は断った。
ここから、義経…というか、源氏<北条!へと持って行くのか。
情が欲しいと言いながら、義経は情に薄い。兄の手前出られぬと断るような人に「情」云々など言われたくないね!あれは、融通が利かないというのではないよ。兄の言と弱った女の子を計りにかけて、兄の仰せの方を取るなんて、情のある人のすることじゃないよ!



→弁慶
女の家に押しかけて「主人」を思って泣いているあたり…。いや、マツケン弁慶はかあいいです。惜しむらくは、相手が仕え甲斐のない「主人」ってところでしょうなあ。



→宗盛
期待を裏切らない人だ…。
もうちょっと上手く立ち回ったら、生き残れたのかもしれないのにねぇ。この後、義経の八つ当たりで…。ううう、出番はあと2〜3回ですか?



→回想
別に義経は苦労してないじゃん。(苦労したのは母上と周囲の人達であって、義経じゃないよ)
「流人」と最後にちょろっとだけ語ったにも関わらず、しみじみと台詞を接いだ兄の方がよっぽど酷い人生を送って来たように見えた。演技力の差って、露骨だなあ。



→次回「血の涙」
なんか、兄の方が泣いているように見える…。(演技力の差だな)