◆第四十話「血の涙」◆
いや、まさか、本当に頼朝さんまで血の涙を流すとは思いもかけないことでございました。
というナレーションが欲しかった。
あと、何故か馬に乗っていない中井きいちさんに「?」。上半身しか映さないから、わざわざ馬に乗る必要はないということか?でも、とっても不自然でしたよ、えぬえちけいさん。
<大筋>
義経の書状は大江広元へと届けられ、広元は政子に頼朝に書状を渡すべきかと問う。政子は見せなくてもいいでしょうと答えながら、頼朝の前で義経の書状が来ていることを告げる。兄弟を離れさせ、北条の立場を強くするため。頼朝は思い悩んだ挙げ句、義経からの書状を読む。官位を手放さず、情に訴えようとする弟の書状に頼朝は何故、私を苦しませると涙を流す。頼朝からの使いを首を長くして待っていた義経主従の元に、北条時政が平宗盛親子を伴って都へ帰るようにとの頼朝の言葉を届ける。もはや、これまでと、泣きながら義経は兄との情が切れたことを知った。
→政子
大姫に対する仕打ちの意趣返しではなく、「野心満々」に聞こえるのが、財前さん政子さま。いやあ、頼朝が義経は鎌倉に入れないと沙汰を出した時の笑みは親子揃ってまさしくしてやったりで、後白河法皇周辺といい勝負だと思わされました。
政子「してやったり」
時政「しめしめ」
広元「あ〜あ、(鎌倉殿)無理しちゃって。ここ(鎌倉)も都も権力のあるところは魔窟じゃの」
という感じで両方を目にいれているような広元さんの表情が良かったです。
そして、今回の政子さまは、源氏の血を引く息子を北条のために見殺しにしそうな母親でした。
→頼朝
まさか、本当に泣くとは…。
予告を見た時に泣いているように見えたのは本当だったのか。情を求める義経に苦しめられる頼朝って珍しい描き方だよなあ。
でもって、手紙が着いたと聞いて、悩み。手紙を受け取って読むべきか悩み。(あの箱についた紐をあの頼朝はいったい何回ほどいては結び直したんだろう…)遠出したついでに義経のいる方角をじっと眺めたり。そして手紙を開いて読んでは泣き…。
いやあ、こういうふうに頼朝を悪役にしない方法もあったんですね。ちょっと感心しちゃいました。
→義経
そして、兄より早く兄を見限る覚悟をしている弟。
いや、確かにもんもんとしている時期は長かったですが、あなた、人に優しくしてもらいたいだけで、本当は情なんぞどうでもいいんじゃあ、と兄の方が情が深く見えた瞬間であった。
ダメだよ、えぬえちけい、あんな半端なことしちゃあ。
冷たくされても尚しぶとく!くらいじゃないと説得力がないよ。
てゆーか、あんた朝廷から官位も左衛門尉ももらっているんだから、直ぐに喰うに困るわけちゃうでしょう?兄から所領が貰えなかったから、朝廷から従五位下を貰ったんでしょう?
そして、従五位下も失いたくない、兄の情も欲しいって…。
ぜーたくにもほどがあります。
などと、兄弟泣き対決!は、明らかに弟より兄の方が苦しんでいるように見えた。
泣くシーンは割とぐっときたが、頼朝ほどじゃなかったな…。
タッキーは素直に脚本を「読んで」いるのは分かるのだが、何せ、脚本における義経の人物像が甚だ出来が悪いので、多分義経像というのを深くとらえることが出来ていないんだろうなあ。
→宗盛
「鎌倉に何しに来たのか」
どんな人物であるか、確認されたのです。そして、不合格でした。
でもって、予告!
ううううううううっ、ついにあなたともお別れですか…。
→義経郎等
前から思っていたのだが、義経を慕う姿勢は見えても、互いに通じ合うものが分かり辛い主従だ。主従のつながりというものが、義経と弁慶の間ですら成り立っているようには見えない。何でだろう?
→次回「兄弟絶縁」
寧ろ縁を切ったのは弟の方だという結論に至った。
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