◆第四十九話「新しき国へ」◆



持仏堂の屋根が弾けて白い光が立ち上った瞬間の正直な感想。


はあ?(戸惑いつつも怒りを含んだはあ?で読んで下さい)


演出として分からないでもないし、オープニングで散々白い馬を見せていたからおかしくもないが。


それはないだろう。


としか思えなかった。

そして、白い馬云々よりも、泰衡さんの「許してくだされ!」の方を、絵として見せて欲しかった。声だけでも悲痛さが感じられたが、義経の亡骸の前に突っ伏しているいっけいさんの演技が見たかった。
最終回を支えたのは、間違いなくいっけいさんの「泰衡」です。
次第次第に頼朝に追い詰められていく様が、見事でした。



<大筋>
秀衡亡き後の平泉に、頼朝は文を送り続けた。義経を引き渡せ、さもなくば…。白河の関に軍勢を布陣させての脅しは、当主となった泰衡をじわりじわりと追い詰めていった。そして、文治五年閏四月、泰衡は義経を攻め、自害へと追い込む。享年三十一歳。源平の戦いを源氏の勝利へと導いた戦上手の、最期の敗北であった。



→泰衡
いやあ、素晴らしかったです。短時間で追い詰められる様を演じ分けるのは大変だったと思いますが、最後の「無表情」「無言」が、ああ、とうとうこのヒト切れちゃったよ、と十二分に感じさせてくれました。
いっけいさんの演技によって、長島国衡の発声イマイチさ加減がより強調されてしまいましたが、まあ、素人を使うえぬえちけいのはさはかさが見えただけですので構いません。長島さんは見た目がうだつの上がらない武士っぽくっていいんですが、腹から声が出ないのは、役者としてどうにもイマイチニ。



→義経一行
最後まで俺達は仲良し主従だ!の実感が全く感じられなかった。
よって、死に様の感動も薄い。
しかも、役者ごとに「時間」の配分に「差」があるのが、良くない。
電車男喜三太はたっぷりだったのに、もと猟師さんはすげーあっさり!1分も死に様が映ってなかったじゃないですか!確かに出番が少なかったし、何のためにいるか分からない家来でしたが、ああいう扱いはないんじゃないですか?後の3人も凄惨な死に様はともかくとして、義経のために〜が本当に説得力がなくて。仕えがいのある主人だ、と私が全然思ってないせいもあるでしょうが、何とも感動の薄い義経最終回でござりました。



→頼朝
北条親子との対比が悲しいな。楽し気な親子と、持仏堂に隠って泣く頼朝。
頼朝は結局北条親子に利用されただけなんじゃないか、と思える未来が待ってますので、余計にそう見えるのでしょうが、中井さん頼朝は、本当に「孤独」「知恵者」を感じさせる頼朝でした。この頼朝でもう1年やって欲しい!というのが、今の願いです。
実現しないかなあ…。



→烏丸
義経が活躍する平家物語を語らせるために、最後に盲目にされるとは…。これからひとひとぴっちゃんを押すのはナレーションのお仕事も終わったおばばの役ですか?



→うつぼ
初恋を貫いて義経と一緒に最期を共にするかと思ったんだが、そこまではしなかったな。義経に対し異議を唱える、後の方が存在感があった。



→法皇ご一行

ああ、今後の法皇VS頼朝をこのキャスティングで見たい!私は正直(つか何度もほざいているように)タッキー=義経はちっとも楽しまなかった。この大河ドラマで良かったのは、後白河法皇とその囲みの二人!あと財前政子女王様と中井さんへなへな頼朝!そして、鶴見さん池ポチャ宗盛、いっけいさんお見事泰衡です。なんかねー、やっぱり、演技者は役者じゃなきゃ、ダメだね。と改めて思わせる1年だった。(以上、これが総括)



来年は再び「夫婦」ネタ。
ええと、イマイチだった年の次は「夫婦」というのは、えぬえちけいの慣例なんですか?(同じく視聴率がイマイチだった「時宗」の時も、次が「夫婦」ネタだった)
成り上がって、土佐藩を得て、もともと土佐の長宗我部氏に仕えていた武士たちを自分の家来より「格下」に取り扱って、いじめた人だ、あの夫は。織田→豊臣→徳川と渡り歩いて、成り上がったんだから、そうとうのタマだと、私は思っているんだが、そーゆー風には描いてくれんだろうなあ。