*『義経』キャスティング及び解説?

→辞書と偏見を基にして作成しております。展開に関するネタバレがあります。注意!

<源氏一門>:頼朝兄弟

●源義経(みなもとのよしつね)…滝沢秀明
源頼朝の異母弟。母は常盤御前。「勝ち」と「平家への復讐」にこだわる戦の天才であるが、その戦法は「無謀」「卑怯」と紙一重。(←だいたい戦の天才と言われる人の戦い方はみなそうですが)灯りを得るために民家に放火するわ、壇の浦で負けそうになると非戦闘員の水夫を殺せと命じるわ…。民衆のための戦いなんぞこれっぽっちもしていないのに、何故、ヒーロー??
いつの頃からかその時代のアイドルが演じると思い込まれているため、この配役らしい。残されている肖像画は、とてもではないが美形ではない。『源平盛衰記』にある平家方の悪口では、「色白で背が小さく出っ歯」と言われている。母親は美人だったようだが、この当時の「美人」は現在の「美人」と基準が随分違う。この当時の「美人」は色は白く、髪は黒く長く、目は細くて一重、そしてぽっちゃりしてなくてはいかん。「それ」に似ているとしたら、「色白」は当たっているのかもしれない。

●源頼朝(みなもとのよりとも)…中井貴一
源義経の異母兄。母は熱田神宮の大宮司の娘。源氏の嫡流ではあるが、その性情は武士ではなく政治家。義経だけではなく、彼や北条氏にとって邪魔になりそうな兄弟は全員死ぬ運命にある。肖像画(←近年「頼朝?」と?マーク付きで紹介されることがある)が残っているため、細面の人が求められる。あと「奥さんに弱そうに見える」役者であること必須。それはクリアしていると思う。

●源範頼(みなもとののりより)…石原良純
頼朝異母弟。母は遠江国遊女。上の兄弟の影に思いっきり隠れて目立たない存在。でも、出番は絶対にある。無視して「義経」のドラマは作れない縁の下の力持ち的な役柄。地味に登場し、地味に消える立場ではあるが、このキャスティングではさてどうなることか。範頼は義経より先に兄ちゃんに任官させてもらって喜んだり、義経が来て自分の権益が脅かされそうになると面白くないと言ったりする人なので、そのあたりはとてもこのタレントに向いていると思う。

●阿野全成(あのぜんじょう)…キャストなし。出ないのか?
義経の同母兄。幼名今若。坊主。醍醐悪禅師と称されるほどの乱暴者で、頼朝が挙兵すると義経より早く頼朝の元に駆け付けるが、義経と違って戦には出なかったモヨウ。頼朝の死後、建仁三(1203)年、息子ともども誅殺される。

<義経周辺の人々>

●武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)…松平健
義経以上に「伝説」ばかりに名が残り、実体が知れない乱暴?坊主。五条大橋での戦いは『義経記』では五条天神となっており、『弁慶物語』では清水寺で戦おうとしたところ、参詣人が多いから、と五条の橋に場所を移したとなっている。「殿」がやると聞いた時点で「従者」らしい弁慶は望めないと決めつけている。(私が)だって、「殿」は何をやっても「殿」だもの。

●伊勢三郎(いせさぶろう)…南原清隆
伊勢三郎義盛。義経側近。屋島・壇ノ浦の合戦に活躍。義経の逃走に従うが、途中ではぐれて捕えられ、文治二年七月に梟首。

●駿河次郎(するがじろう)…うじきつよし
駿河二郎清重。あ、『蒙古襲来絵巻』の竹崎季長さんじゃないですか。(『時宗』参照)この人物に関する詳細は実在も含めて不明。

●佐藤忠信(さとうただのぶ)…海東健
もと藤原秀衡の郎従。のち義経家人(=家来のこと)。義経の逃亡中、都で発見され、奮戦ののち自害。潜伏中なのに、夫のいる女に手紙なんか送ったりするから…。

●佐藤継信(さとうつぐのぶ)…宮内敦士
上の忠信の兄。同じくもと秀衡の郎従。義経家人。屋島の戦いで義経をかばい戦死。伝承は多々あるが、『物語』に掲載されている話なので、事実かどうかは不明。佐藤という苗字は現在でも東北方面に多い。

●喜三太(きさんた)…伊藤淳史
義経の馬の口取り。

●千鳥(ちどり)…中島知子(オセロ)
弁慶とのお笑いかけあいのためにいる漁師の娘。

●鷲尾三郎(わしおさぶろう)…長谷川朝晴
鵯越えのルートを教えた地元の漁師だそうだ。わざわざ役名まで用意するドラマは初めてかもしれない。てゆーか、鷲尾って、藤原氏系の苗字なんだが。

●河越(かわごえ)太郎の娘・良子(ながこ)…尾野真千子
義経の正妻。河越氏は秩父氏の一族で、父の河越太郎重頼は義経と頼朝の仲が不和になるに及び、文治元年十一月に誅せられる。重頼の妻は比企氏の娘で、比企氏は頼朝の乳母であり、且つ頼朝の長男頼家の乳母も勤めた一族である。範頼の妻も比企氏の娘を母としているので、頼朝は異母弟らに家柄が同格の嫁を与えていると分かる。
義経は衣川の館で妻と娘とともに最期を迎えたとも言われる。その「妻」が誰であるかは不明であるが、ドラマではこの正妻にするのだろうか?

●鬼一法眼(きいちほうげん)…美輪明宏
いやあ、えぬえちけいってと思ってしまう人が登場。『時宗』のピーターといい、結構好きですね。(誉めてます)義経に武術を教える陰陽師だそうです。『義経記』の義経は鬼一法眼の娘とねんごろになって、その娘に兵法の書を持ち出させている。

●一条長成(いちじょうながなり)…蛭子能収
清盛に常盤御前を押し付けられる人。ここにえびすさん持って来るあたりに、えぬえちけいの意図がよく分かる。あそこは、タレントの個性を登場人物のイメージに投影させる手段を使うのだ。(『時宗』の時の川崎麻世と羽賀研二もそうだった)義経の母常盤御前の再婚相手。常盤との間に息子あり。義経が鞍馬寺に入る時には彼が扶持(お金)を出している。

●常盤御前(ときわごぜん)…稲森いずみ
義経のお母さん。ドラマでは白拍子だが、(←止めたモヨウ)『平治物語』などでは九条院の雑仕(=女房より地位の低い官女)。義経はこの母の子として生まれた時点で、源氏の嫡流より下に置かれる立場(=兄とは対等になれない)にある。長成との間の子良成(義経の異父同母弟)は、一時期義経と行動を共にしていたのだが、ドラマでは出ない?ようだ。このキャスティングは若過ぎじゃないか?また、彼女が清盛に身を預けることによって、子供達(義経ら)の命は助かったというが、その前に嫡流の頼朝が助かっているのだから、義経たちが殺される訳が無いのだ。

●静御前(しずかごぜん)…石原さとみ
義経の妾(めかけ)。白拍子。義経との間に男子をもうけるが、頼朝により殺害される。またしても若過ぎるキャストだと思う。「しづやしづ」、が頼朝の前で美しく舞えるのかどうか、に全てがかかっている。

●磯禅師(いそのぜんじ)…床嶋佳子
静御前の母で、白拍子。白拍子は春を売る男装の舞い手で、磯禅師が始めた神事芸能らしい。彼女が泣きじゃくる静から義経の子を取り上げ、頼朝の家来に引き渡す。

<鎌倉の勢力>:頼朝兄弟を除く

●北条政子(ほうじょうまさこ)…財前直見
頼朝の妻。頼朝の愛人の家に放火させるなど、気が強い故に悪女にされがちな女性だが、子供はおろか孫までもほとんど全員彼女より先に死んでいるので、不幸といえば不幸。結婚相手が悪かったのか、それとも(彼女を含めて)野心旺盛な北条一門がいかんのか。静にだけは何故か同情的。

●大姫(おおひめ)…野口真緒
頼朝と政子の娘。鎌倉に送られて来た義仲の子義高と政略的に婚約させられるが、義仲が敗死するに及び、義高も殺害される。その後、大姫は病気がちになり、誰との結婚話も承諾せず若くして死去。母ともども静に同情的で彼女に多くの贈り物を与えている?今のところキャストにはいないが、是非ドラマに出して欲しい。*追記:とても愛らしい子を出してくれた。その点には礼を言おう、ありがとう、えぬえちけい。

●北条時政(ほうじょうときまさ)…小林稔侍
政子の父。ろくに家来のいない頼朝が挙兵できたのは政子と結婚して、この父が後ろ楯になったから。その意味では、頼朝は計算高く政子に近付いとも言える。野心家だが、娘より若い嫁を迎えたため、娘と息子に嫌われ、蹴落とされる。

●牧の方(まきのかた)…田中美奈子
時政の後妻。政子と年が近く、どうも政子とは仲が悪かったらしい。頼朝の浮気を告げ口したり、時政をそそのかして娘婿を将軍にしようとしたりして、時政と政子&義時兄弟との対立原因をつくる。

●亀の前(かめのまえ)…松嶋尚美(オセロ)
要するに、この人が政子に家を焼かれるのですね。頼朝の浮気は政子の長男出産後に義母のちくりで発覚するから、ドラマ設定の古くからの愛人というのには、ちと無理があるような。

●比企尼(ひきに)…二木てるみ
頼朝の乳母(めのと)。この時代、乳母は母親よりも子供に近く、尚且つ乳母として育てた子と一族もろとも運命をともにすることが多々ある。比企氏は頼家の凋落により、北条氏に滅ぼされている。比企氏の尼なので、比企尼。

●安達盛長(あだちもりなが)…草見潤平
安達藤九郎盛長。配流時代からの頼朝の側近。

●梶原景時(かじわらかげとき)…中尾彬
梶原平三景時。石橋山の戦いで負けて敗走する途中の頼朝を見逃して、その窮地を救った。以後、頼朝に忠実な家臣となる。目付として源平の戦いに赴き、義経とは何かとぶつかる。頼朝に讒言して、義経を陥れる都合上、悪役っぽく描かれることが多い。

●梶原景季(かじわらかげすえ)…小栗旬
景時の長男。宇治川の戦での佐々木高綱との先陣争いが有名だが、大河義経では省かれた。義仲追討、平氏追討、奥州合戦などの戦いに参戦。それ以外では、さして有名な人物ではないにも関わらず、大河では義経の周囲を始終うろうろしていて出番が多い。

●和田義盛(わだよしもり)…高杉亘
相模の大豪族三浦氏の一族で、初代侍所別当。鎌倉幕府初期の有力御家人である。大河では髪の毛がくるくるしていて、画面上で目立つが、今の所、その他大勢以上のクローズアップはない。

●土肥実平(どひさねひら)…谷本一
石橋山の戦いから頼朝に従った古参の御家人。大河では、上の和田さんとセットで度々登場しているが、髪の毛がくるくるしていないため、和田さん以上にその他大勢として画面に埋没している。

●三善康信(みよしやすのぶ)…五代高之
母が頼朝の乳母(比企尼ではないらしい)の妹。京から鎌倉に下った中級貴族。初代問注所執事となり、官僚として長く鎌倉幕府を支える。

●大江広元(おおえのひろもと)…松尾貴史
康信と同じく京から鎌倉に下った中級貴族。康信と前後して、1184年あたりに鎌倉に着いたモヨウ。京都の貴族の間では「頼朝の腹心」と評されるほど、頼朝の信任厚く、鎌倉幕府の設立に尽力した官僚である。頼朝亡き後も、長く幕府を支えた。

●北条宗時(ほうじょうむねとき)…姫野惠二
誰?こんな人北条氏にいたっけ?と言いたい、政子の兄設定だという人物。出番は2〜3回とみた。病弱で途中でいなくなるらしい。こんないなくなる人をわざわざ用意せんでも、政子の弟の義時を出せばいいのに。

<平家勢力>

●平清盛(たいらのきよもり)…渡哲也
言わずと知れた平氏の棟梁。保元・平治の乱にて権力を掴み、武士として初めて太政大臣にまで上り詰める。少年であった頼朝を捕えながら、命を助け流罪にしたのが後々命取りとなる。義経も然り。自分を助けたが故に滅亡した平氏を知るからこそ、頼朝は「危険」そうな身内を徹底的に討ったのかもしれない。

●時子(ときこ)…松坂慶子
清盛の妻。孫である安徳天皇を抱えて入水した最期が有名だと思っていたら、彼女が抱えていたのは宝剣(=三種の神器の一つ)で、以来、宝剣は行方知れずのままとなっている。

●平重盛(たいらのしげもり)…勝村政信
清盛の子。清盛の子で唯一「有能」であったらしいが、清盛より早く死去。彼が長らえていれば、源平合戦の結果は違ったものになったかもしれない。

●平維盛(たいらのこれもり)…賀集利樹
重盛の長男。富士川の戦いで敗れ、清盛に叱責される。都の防衛には功があったが、その後は倶利伽羅峠の戦いに敗れ、敗走を続ける一門からも離脱し、出家。熊野那智で入水と伝えられる。

●平資盛(たいらのすけもり)…小泉孝太郎
重盛次男。戦いの端緒では武功があったが、平氏が不利になったあたりから彼も敗戦を重ねる。兄と違い、最期まで一門とともにあり、入水、もしくは自害。建礼門院女房との恋愛が有名らしいが、ドラマでは扱われない?

●平宗盛(たいらのむねもり)…鶴見辰吾
清盛の子。母は時子。辞書に曰く凡庸な善人。壇ノ浦では生虜となり、鎌倉に送られ、最期は近江で誅された。首は子清宗(十五歳)とともに、義経によって六条河原で獄門に賭けられた。

●平知盛(たいらのとももり)…阿部寛
清盛の子。宗盛の実弟。清盛亡き後の平氏を兄とともに支える。壇ノ浦にて入水。『平家物語』の「見るべき程の事は見つ」が有名。

●明子(あきらけいこ)…夏川結衣
知盛の妻。この時代の女性は「政子」や「時子」クラスでないと名が残らないため、この名前はドラマ用の設定と思われる。安徳天皇の弟の乳母とのこと。

●建礼門院徳子(けんれいもんいんとくこ)…中越典子
清盛の娘。宗盛の実妹。高倉天皇の中宮となり、安徳天皇を生む。平氏全盛の要。壇ノ浦では入水しようとしたが、生き延び、出家。

●平重衡(たいらのしげひら)…細川茂樹
清盛の子。知盛の実弟。武勇の人だが、歌にも優れていた。南都を焼き討ちして、東大寺を消失させた。そのため坊主連中にえらく恨まれた人。一の谷で生虜となり、鎌倉へと送られ、そこで一年を過ごす。彼だけ南都衆徒の要望で奈良へ送られて処刑され、首は奈良坂にさらされた。

●輔子(すけこ)…戸田菜穂
重衡の妻。えぬえちけいのキャストを読むと、平家奥様連の中で1番影が薄そうだ。

●能子(よしこ)…後藤真希
清盛と常盤御前の子なのに、源氏の子だと思われている娘とのこと。いてもいなくても話には全く変化を与えない役。壇ノ浦の時に義経に秘策を教わって生き延びるらしいが、その後はどうするんだろう?

●平時忠(たいらのときただ)…大橋吾郎
時子の弟。公卿(=貴族であって、武士ではない)。「平家にあらずんば人非人なり」と高言したのが有名だが実態もなかなかのものである。二条天皇を呪詛したとして流罪になったり、京中の警備を担当している時に強盗十二人の手首を切断させるなど、貴族らしからぬ面を持つ。壇ノ浦では生虜となり、自ら主張して罪の軽減を求め、死を免れ流罪を得る。が、彼は流罪の地へ赴こうとせず、頼朝と不和になった義経に近付き、娘と結婚させるなど、不穏な動きを見せる。頼朝が梶原景時を送り、強制的に能登への配流は実行された。

●領子(むねこ)…かとうかずこ
時忠の妻。能子をいじめる役のようだ。

●池禅尼宗子(いけのぜんにむねこ)…南風洋子
清盛の義母。彼女が清盛に少年頼朝の命を救うよう乞い願い、助けた。頼朝は平氏滅亡後、彼女の息子頼盛には所領を返し、また、頼盛らは平氏の都落ちにも同行しなかった。平氏滅亡後も彼らの子孫は中央に残り続ける。

●平頼盛(たいらのよりもり)…三浦浩一
池禅尼の息子。清盛の異母弟。清盛とは仲が悪い。そのため、他の平家一門とは道を異にする。

●平盛国(たいらのもりくに)…平野忠彦
清盛側近。保元・平治の乱に活躍。壇ノ浦で生虜となり、鎌倉へと送られるが、自ら飲食を絶ち七十四歳で没す。

●手古奈(てこな)…上原美佐
もとは政子の侍女で、頼朝にセマられたため、鎌倉を出て時子の侍女となるそうだ。鎌倉にいた侍女が京都で通用するかどうかはかなり疑問。

<鎌倉外の源氏勢力>

●木曽義仲(きそよしなか)…小澤征悦
頼朝の従弟。倶利伽羅峠での戦いで有名だが、挙兵してからその勝利まで飢饉などの事情により数年の間がある。平家の都落ちは彼の力によるものであるが、政治力の欠如により、失脚。義経に追われ、敗死。

●巴御前(ともえごぜん)…小池栄子
義仲と共に戦った女武人として有名だが、彼女が特殊なのではない。実は、当時の女性は割と戦ったのではないか、と近年指摘されているのだ(←女性用の鎧などから)土地などの財産は女性にも相続権があった時代である。可能性としては十分に考えられる。えぬえちけい主張の「和製ジャンヌダルク」は言い過ぎ。義仲亡き後の彼女については、あっと驚くその後を用意しちているらしいが、まさか、義経か頼朝を殺しに現れるんじゃないだろうな。

●新宮十郎行家(しんぐうじゅうろうゆきいえ)…大杉漣
源行家。頼朝の叔父にあたる。以仁王の令旨を携えて諸国源氏の挙兵を促した。頼朝→義仲→義経と相手と不和になる度に移動を重ね、義経とともに逃亡もする。最終的には彼を危険視した頼朝に誅殺された。

●源頼政(みなもとのよりまさ)…丹波哲郎
源氏ではあるが、頼朝らとの縁(血縁)は薄い。平清盛に従い、平家の世になっても唯一源氏としては権勢に近いところにいたが、七十七歳にして平氏から離反し、以仁王とともに挙兵。宇治にて傷を負い、自刃。

<朝廷、その他>

●後白河法皇(ごしらかわほうおう)…平幹二朗
保元の乱で兄崇徳上皇に勝ち、治天の君の地位を手に入れる。頼朝は法皇が死ぬまで征夷大将軍にはなれなかった。時勢に応じて手を結ぶ相手を使い分け、清盛→義仲→義経→頼朝と、その相手は源氏平氏を問わない。義経に官位を与え、義経と頼朝兄弟の不和の種を蒔いた。

●以仁王(もちひとおう)…岡幸二郎
後白河法皇皇子だが、平氏全盛時にて皇位継承から外れる。全国の源氏を平氏打倒へと導く「令旨」を出した点で歴史への影響力は大きいが、当人は源頼政とともに挙兵時に敗死。

●うつぼ…上戸彩
義経の幼馴染みだそうだ。物語に影響を与えない、いてもいなくても話には影響を与えない役、其の二。そんなに無理して若いねえちゃん使わんでもいいのにね。

●大日坊春慶(だいにちぼうしゅんけい)…荒川良々
うつぼの兄。破戒僧だそうだが、この当時の僧兵は(弁慶も含めて)みな破戒僧だと思うぞ。女犯はするわ、武器は持つわ…。

●お徳(おとく)…白石加代子
ナレーション係。鎧武具に使う組紐を扱う商人。

●五足(ごたり)…北村有起哉
お徳に拾われた孤児で、読唇術に長けている。

●朱雀の翁(すざくのおきな)…梅津栄
普段は好々爺だが、その実体は…というじじい。あ〜、なんか好きな感じかも。

●烏丸(からすまる)…高橋耕次郎
お徳に拾われた孤児、其の二。五足とは対称的な性格で、あまり感情を表に出さないようだ。

●覚日律師(かくにちりっし)…塩見三省
鞍馬寺の僧。義経の面倒をみる。

●あかね…萬田久子
吉次の女。もとは借上と呼ばれる金貸。

<奥州藤原氏の人々>

●藤原秀衡(ふじわらひでひら)…高橋英樹
お金持ち奥州藤原氏の惣領。少年義経を育て、また頼朝に追われるようになった彼を匿う。ただ、その背後には対平氏、対頼朝の計算あってのことと思われる。計算なしで、匿うような人は惣領にはなれんのだが、役者からしてきっとそういう役柄にはならない。単なるいい人だけで終わるに違いない。

●金売り吉次(かねうりきちじ)…市川左團次
奥州と都を行き来する商売人。対平氏のために、義経を奥州へと連れ帰る。

●藤原泰衡(ふじわらやすひら)…渡辺いっけい
秀衡の子。父亡き後、頼朝の圧力に負け、義経を追討。

●藤原國衡(ふじわらくにひら)…長嶋一茂
秀衡の長子だが、庶子のため、惣領にはなれず。頼朝との合戦の際には大将軍であったが、敗走。その途中、和田義盛らに討たれる。

●藤原忠衡(ふじわらただひら)…ユキリョウイチ
秀衡子。義経と同年輩で友達役?

<子役>

●7〜9歳の牛若(うしわか)…神木隆之介

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